JAあづみ管内で5月中旬、夏から秋にかけて栽培する夏秋いちごの出荷が始まった。同JA管内は全国有数の産地。2023年度は47戸の農家が約6.5ヘクタールの作付けを予定し、同JA夏秋いちご部会業務用出荷部は140,621キロ、同部会市場出荷部は210,342パックの出荷を見込んでいる。
23年産は生育が良好で、花芽も順調にあがっている。一方、アザミウマなどの害虫による被害が深刻で、生産者には農薬防除や防虫ネットなどによる対策を呼び掛けている。
23年度販売額は3億8459万円を計画している。信頼される産地作りのため携帯アプリの「LINE」を活用した市場関係者との産地情報の共有や圃場に設置したセンサーで生育環境や作業状況を計測・記録しデータ化し、これまで感覚に頼ってきた作業を見える化するスマート農業「みどりクラウド」の試験導入による栽培技術の高位平準化、新規栽培者の確保などを目指す。
この日は、管内の生産者が持ち込んだ「すずあかね」など計26キロをJA職員が傷の有無などを目視で確認。洋菓子メーカーや関西、県内市場に出荷した。出荷作業は11月末まで続く予定だ。
管内で主に栽培する品種は、北海道の種苗メーカーが開発した「すずあかね」を主体に県独自の「サマーリリカル」など4品種。いずれも6月上旬から11月末までの長期出荷が可能。約6割は業務用に大手洋菓子メーカーなどに直接販売し、約4割は関西や県内市場に出荷する。
同JA営農経済事業部農産課の増田真生営農指導員は「実需者の需要に併せた出荷量や品質の確保、産地としてのブランドを維持向上できるよう、技術情報の発信や行政と連携した試験の実施など、農家手取りに繋がる栽培指導を行っていきたい」と意気込んだ。