JAあづみのあづみ直播機械利用組合は5月中旬、安曇野市穂高の水田でドローンを使って種もみを直接水田にまく「ドローン直播実演会」を初めて行った。従来の乗用播種機だと10アールあたりの作業時間は、10分ほどかかるが、ドローンで空中からまくと2~3分に短縮され、作業の省力化に繋がることを確認した。
JAあづみ営農経済事業部米穀課によると水稲直播栽培は、種もみに薬剤を被覆した種子を、ドローンを使って空中から直接水田にまくため、苗箱に種をまく作業や水やりなどの育苗管理の手間がかからない作業の省力化に繋がる。さらに、農家の人手不足解消や新規就農者の初期投資削減などが期待されるという。
この日、同利用組合員やJA職員、全農長野、行政関係者など約30人が見学に訪れ、同利用組合員で市農業委員の平川邦夫さんの水田1.1ヘクタールに種まきをした。県内の専門業者が事前にドローンに地形情報や水田の規模などを入力し、飛行ルートを設定。機体の散布幅は5メートルほどで、高さ3メートルから勢いよく水田に種もみをまいた。
平川邦夫さんは「高齢化が進む中、スマート農業に取り組んでいく必要がある。近未来的な取り組みに若い農家が関心や興味を持ってくれれば」と語った。
千國茂組合長は「少子高齢化と人口減少が進む中、農業生産基盤の再構築は待ったなし。近い将来、ドローンの導入は進んでいくだろう」と今後を見通した。