JAみなみ信州柿部会は、5月10日と11日に管内4会場で柿の摘蕾(てきらい)技術説明会を開き、2日間で合計163人が出席した。同JAでは農業経営モデルの一つとして「市田柿+夏秋きゅうり」の複合経営を推奨しているが、夏にきゅうりの収穫が始まると柿の摘果ができなかったり、作業が遅れることが課題となっている。市田柿の適玉生産と作業時期の分散に向け、同JAでは2021年度から蕾の形が分かる5月中旬頃から開花時期に量を調整する「市田柿摘蕾」技術確立の検討を始め、効果や影響の検証を行っている。農家の共通の課題に向け、いち早く技術を紹介したいと今回の説明会を開催した。
10日、下伊那郡高森町で行った説明会には85人が出席。同JA営農部職員から摘蕾の実施時期や方法、検証結果の説明が説明され、参加者は真剣な表情で耳を傾けた。その後3グループに分かれ実演講習を行い、質問を交えながら実際に摘蕾作業を体験した。飯田市座光寺地区から参加した男性(70)は「作業の分散という点では非常に良い技術だと思うが、最終的に収量がないと意味がない。少しずつ様子を見ながら取り入れていきたい」と話した。
同JA営農部果実柿課の米山直樹係長は「実施時期や程度によるリスクの検証中であるが、摘蕾が課題解決の1つの手段となる可能性があると判断し説明会を開催した。予想を上回る出席があり関心の高さがうかがえた。今後は作業効率アップと摘蕾技術確立を目指し、市田柿の更なる品質向上と生産拡大につなげたい」と意気込んだ。