JA信州諏訪の独自支援事業「鳥獣被害防止資材類の購入支援」の2023年度受付が始まった。組合の認めた電気柵・防獣網・防鳥網を設置した正組合員に助成金を交付。助成予算額の達成で受付を終了する。
同事業は2020年度から実施している。中山間地の諏訪地域は、鳥獣被害が発生しやすいことから、営農継続と地域農業振興の支援を目的に設置。3年間で113件の申請がある。
対象資材は(1)組合の認めた電気柵(セット品のみ)(2)組合の認めた防獣網(支柱のみは不可)(3)組合の認めた防鳥網(ネットのみ)。補助率は30パーセント以内。助成金の上限は7万円とし単年度で1正組合員1申請とする。
茅野市の中島剛司さん(70)はこの事業を活用して今年で4年目。今年度は、理事長を務める農事組合法人笹原営農の田んぼ5枚(広さ約1ヘクタール分)を囲む電気柵(長さ約700メートル分)を購入。4月下旬、メンバー4人で4時間ほどかけて設置した。
中島さんは「鹿による被害に悩まされている」と話す。ネットを食い破ったり、倒したり。田植え後の柔らかい稲や収穫前の穂を食べられてしまい、収穫量が減少したこともあった。
管内のJAファーム店で電気柵を購入したところ、同事業の案内を受け、申請した。「電気柵を設置した田んぼは被害が少なくなり、その効果を実感している」という。
「必要な資材を購入して、助成金がもらえるのはありがたい。電気柵を設置したい場所はほかにもあるので、来年以降も利用したい」と話している。
営農部営農企画課の柳澤輝佳課長は「鳥獣被害は年々増加している。ぜひ事業を利用して対象資材を購入し、獣被害の防止に役立ててほしい」と呼びかけている。