JAあづみは10日、農作物の生育が平年よりも10日ほど進んでいることから安曇野市堀金の広域営農センターに「農業災害対策本部」を設置した。管内の一部地域で4月9日から2日連続で夜から朝にかけて冷え込み最低気温がマイナス-6℃を記録した地点もあり、果樹を中心に被害が出始めている。
2023年は1~3月の平均気温が高く、果樹では2週間ほど、野菜と水稲では10日ほど生育が進んでいる。凍霜害により収量が4割ほど減少した21年も3月は記録的な高温となり、生育が前進したところを4月~5月にかけて計13回発生した凍霜害により甚大な被害となった。同年と生育状況や気象環境が似ていることから警戒を強めている。
同日、安曇野市堀金の同センターで設置会議を開き、安曇野・松本市・NOSAIやJA役職員ら約20人が出席。果樹やそ菜、米穀などの担当者がそれぞれ現況を報告し、対応方針を協議した。
リンゴは、低温が続くと下枝の結実不良を招く恐れがあることから、散布機による防霜資材の活用や防霜ファンの稼働を呼び掛ける。水稲育苗では、近年、育苗期間中の寒暖差でムレ苗や苗立枯れ病の発生が心配されることからハウスの温度管理の徹底を指導している。野菜では露地物の早期収獲を呼び掛けた。
対策本部のメンバーは、二村恵常務理事を本部長に総勢19名で構成され、被害防止対策とともに、実害が発生した際の被害規模の早期把握と対策に努める。
千國茂組合長は「異常気象が常態化している。状況を的確に把握するとともにできる限りの対策を取っていきたい」と述べた。
営農経済事業部の丸山昌則次長は「本年の農業生産を占う上でも重要シーズンが始まっている。季節の変わり目は特に天候も変化し易くなるので、日々の気象予報を参考に可能な限りの技術対策を講じて、自身の経営を守って欲しい」と話した。