アスパラガス自動収穫機開発報告会/3ヵ年の成果を確認

JA上伊那
自動収穫機のデモを見学する出席者
自動収穫機のデモを見学する出席者

伊那市や長野県南信工科短期大学校、JA上伊那、地元企業などで構成する共同事業体「露地野菜収穫作業自動化推進コンソーシアム」は3月20日、伊那市西箕輪の伊那技術形成センターでアスパラガス自動収穫機開発報告会を開いた。伊那市の白鳥孝市長や株式会社JA菜園の白鳥健一社長など31人が出席。3ヵ年の事業を終え、経過や成果を報告した。
伊那市は、アスパラガス県内生産量第3位を誇る。収益性の高い品目であることから、市や同JAとしても生産拡大していきたい品目だ。反面、収穫作業の機械化が遅れており、人手がかかることなどが課題となっている。そこで市は国の地方創生推進交付金を活用し、2020年にコンソーシアムを設立。(株)JA菜園を実験場に自動収穫機の開発を進めてきた。
自動収穫機は幅40センチのレール上を自走しながら左右に取り付けた3Dカメラで収穫適期のアスパラガスを判別。カッターがついたアームを伸ばして刈り取り、コンテナに積み込むことができる。
3ヵ年で改良を重ねながら5号機まで製作。判別から積み込みまでの基本性能を確保した一方で、手前のアスパラガスや雑草を障害物と認識したり、10ミリ程度の細めのアスパラガスを認識できないという事例もあり、収穫率は60~70%にとどまっている。
報告を聞いた白鳥社長は「JA上伊那グループとしてアスパラガス販売高10億円を目指す中で、地域の産学官連携で協力いただけるのは大変ありがたい。今後に期待し、農家が使えるロボットにしてほしい」と講評した。
予定していた3ヵ年は今年度で終了となるが、今後も自動収穫機の開発を続けていく方針だ。

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