冬期代表品目「アネモネ」最盛期/暑い夏の生育期間乗り越えた美しい花を全国へ

JA信州諏訪
出荷を控えるアネモネの生育を見守る伊藤さん
出荷を控えるアネモネの生育を見守る伊藤さん

JA信州諏訪管内の冬季代表花き品目「アネモネ」が最盛期を迎えている。生産者は、丹精込めて栽培した1本1本を日々ていねいに収穫。全国各地に届けられ、美しい花を咲かせている。
原村の伊藤佐九次(いとう・さくじ)さん(71)は同村の専業農家に生まれ、約30年前からアネモネを生産している。冬の間の収入源として村内で盛んに栽培されていたことから、自身で始めたという。
2022年度は妻長子(ながこ)さんと2人で、ハウス3棟(約7アール)で栽培・管理を行う。昨年4月上旬から大輪で耐病性に優れる品種「ミストラルプラス」を定植し、9月下旬に初出荷。2月16日現在は、多い週で40~50ケース(1ケース階級等により60~120本入り)を箱詰めし、JA原村花き共選所へ持ち込んでいる。
JA全農長野と同花き専門委員会による「信州フラワーショーウィンターセレクション」への出品にも協力的。2月に開いた第52回ではJA全農会長賞を受賞している。
こだわりは、有機資材を使った土づくり。また、「暑い時期の管理は難しく、気を使っている」といい、夏の生育期間中のハウス内の換気や定期的なかん水も徹底している。
日々の細やかな作業が実を結び、22年度は「丈が長く、ボリュームのある花が出荷できており、品質は上々」。「信州諏訪のアネモネは色鮮やかで花色も豊富。涼しい場所に飾れば2~3週間長持ちするし、1輪でも束にしても存在感があるのも魅力なので、ぜひ眺めて楽しんでほしい」と期待を寄せている。
管内は全国有数のアネモネ産地。22年度は11戸の生産者が計71アールを栽培。4月中旬までに、7000ケースの出荷を目標としている。23年度は生産者の増加が見込まれる一方、夏場の高温など天候不順の影響で生産量の減少が懸念されている。JAは諏訪農業農村支援センターと連携を図り、病害対策の検討・周知や定期的な出荷査定会を通して、生産量を確保していく考えだ。

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