生ごみ堆肥づくりは“SDGsの先がけ”のひとつ/JA女性理事が再び活動普及めざす

JA信州諏訪
女性部活動をきっかけに生ごみ堆肥づくりを続ける濵理事
女性部活動をきっかけに生ごみ堆肥づくりを続ける濵理事

JA信州諏訪の濵由美子理事は、段ボールを使った生ごみ堆肥づくりに力を入れている。女性部湖北ブロック有志団体「四つ葉会」で始めたのがきっかけ。皆で集まっての生産ができない現在、個人で継続。23年度はJAと連携し、再び“台所からSDGs実践”活動の普及をめざす。家庭でできる肥料価格高騰対策、SDGsへの取組みとして広く発信したい考えだ。
家庭ごみの有料化をきっかけに、生ごみの堆肥化への関心が高まったことを受け、2010年4月に「四つ葉会」を発足。講習会の開催や基材となる土づくりに取組んできた。新型コロナウイルス感染拡大を受け、団体での活動は現在休止している。
生ごみ堆肥づくりは、NPO法人循環生活研究所の指導方法を参考に実践。みかん箱大の段ボールを用意し、基本は園芸用培土「ピートモス」12リットルと土壌改良剤「もみ殻くん炭」8リットル(6:4の割合)を入れ、充分にかき混ぜた後、小さく切った野菜・果物の皮や芯、焼魚の骨、卵の殻などの生ごみを、1日約500グラム程度入れる。3カ月間ほど毎日、生ごみの投入・攪拌作業を続け、基材がベトついてきたら終了。500ミリリットルの水を週1回(計3~4回)、全体に回し入れてよく混ぜた後、熟成した堆肥として利用できる。
毎年、4月頃から11月末にかけて堆肥を生産。花苗のプランターへの施肥や家庭菜園の元肥として活用している。1月現在は、春に向けて材料の調達等、準備を進めている。
堆肥化には、微生物の働きが重要な役割を果たす。「段ボールを開けて、生ごみがなくなっているのを見ると、目に見えない微生物の働きが生き物を飼っているように、毎日の楽しみになる」と張り合いを語る。さらに、「生ごみの処理に困らないし、夏場の臭いも気にならなくなる。何より自治体の生ごみ削減のお役に立てれば」と笑顔を浮かべる。
JA管理部協同活動推進課は1月、濵理事から生ごみ堆肥づくりの概要を聴き取った。23年度は、組合員向け講座などで講習会を検討している。
「四つ葉会のメンバーとの活動を再開できればうれしい」とし、「SDGsが叫ばれてている今こそ、多くの人に家庭でできる堆肥づくりを学べる機会を設けてほしい。親が始めれば、子どもも自然と関心を持ってくれると思うので、家族皆で楽しみながら取組んでもらいたい」と期待を寄せている。

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