コメ作り学習会/「つきあかり」生育経過や減肥栽培の事例を報告

JA信州諏訪
高品質栽培に向けた課題への対応策を共有したコメ作り学習会
高品質栽培に向けた課題への対応策を共有したコメ作り学習会

JA信州諏訪は1月30・31日、2月1日、管内のJA施設4会場でコメ作り学習会を開いた。管内の諏訪湖周辺地域で、2022年度から本格的に栽培を推奨する水稲品種「つきあかり」の生育経過や減肥栽培の取組みを報告。コメの情勢を振り返り、病害虫、雑草などの課題への対応策を共有した。
1等米比率の向上を目的に、2016年度から毎年この時期に開いている。今回は、水稲生産者、農薬メーカー担当者、職員延べ70人が出席した。
県内の2022年度産米の作柄は、8月中旬と9月上旬の日照不足が影響し「やや不良」。同JA施設での荷受量は8,285トン(前年対比98.9%)。1等比率は98.2%(前年対比+0.1%)だった。
JA営農部は諏訪農業農村支援センターと連携し、「つきあかり」と従来品種「ひとめぼれ」の比較調査を行った。調査データによると、幼穂形成期、出穂期は両品種ともにほぼ同等。「ひとめぼれ」は成熟期が7日、収穫日が5日早かったが、千粒重、精玄米重ともに「つきあかり」が上回っている。
学習会では、同部の担当者が肥料価格高騰対策の一環として減肥栽培の取組みを報告。「コシヒカリ」「あきたこまち」の基肥に発酵ケイフンなどを用い、化学肥料由来窒素5.5%以内、減肥50%で行う栽培事例を紹介した。さらに減肥栽培で使う肥料の2023年春肥価格と化成施肥基準での価格との差額も示し、担当者は「次年度以降の栽培時に参考としてほしい」と呼びかけた。
高品質栽培に向けた課題への対応策として、農薬メーカーの担当者が講義を行った。水稲病害虫の発生状況などを振り返り、耕種的防除方法や農薬の正しく安全な使用方法を学んだ。
また、管内のカントリーエレベーターやライスセンターに導入している穀粒判別機を紹介。農産物流通の合理化を図ることが目的。農産物検査員が米のサンプルを目視で検査する際の補助機として活用している旨を報告した。
諏訪市の水稲生産者(63)は「先に始めた周囲からの薦めもあり、今年からつきあかりを栽培することにした。2022年度の生育経過、収穫量などを知れて参考になった」と話していた。

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