「認知症とともに生きる」JA信州うえだ助け合いの会が協力会員研修開く

JA信州うえだ
講演をする丹野氏
講演をする丹野氏

JA信州うえだ助け合いの会は1月30日、上田市交流文化芸術センター「サントミューゼ」小ホールで、協力会員研修を開き、会員や地域住民ら147人が参加した。
同会は、「年をとっても住み慣れたところで安心して暮らしたい」という地域住民の願いを、協同の力で実現しようと活動するボランティア組織。会員には、地域で活動を行う協力会員と、年会費を納めることで活動に参加する賛助会員がある。
この日は、「認知症と地域」をテーマに、会員だけでなく地域住民とともに考えようと、公開講座とした。講師には、認知症本人大使として活動する丹野智文氏を招き、「認知症とともに生きる」と題した講演を企画した。
丹野氏は、認知症と診断されてからの自身の気持ちや経験を話すだけでなく、認知症当事者と会話し本人のやりたいことを実現していく活動を紹介し、「『認知症の人=何もできない』と決めつけないで。病名で見ずに、その人自身を見てほしい」と語り掛けた。会場の参加者との応答にもわかりやすい実例をあげて答え、最後に「人生は認知症になっても新しく作ることができる。みんなが安心して認知症になれる地域をみんなでつくっていこう」と笑顔で締めくくった。
参加者は、「たくさんの胸に響く言葉があった」、「認知症当事者の思いに耳を傾け、やりたいことを自立してやれる方法・工夫がとても重要だと思った」と、口々に感動を言葉にしていた。
丹野氏は、現在48歳。39歳の時、若年性アルツハイマー型認知症と診断され、その後も仕事を続けながら各地で、公演活動を精力的に続けている。認知症を正しく知ってもらい、認知症でも自分らしく生きることの実現が目的。2020年には厚生労働省から認知症への関心と理解を深めるための普及・啓発を行う「希望大使」に任命された。

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