コロナ禍で地域の宝掘り起し 事例で学ぶ

JAあづみ
地域づくりの必要性を説く岡田名誉教授
地域づくりの必要性を説く岡田名誉教授

地域の営農リーダーを育成する安曇野新興塾は19日、安曇野市堀金の広域営農センターで第23回研修会を開いた。塾生やJA職員約10人が参加、京都大学の岡田知弘名誉教授を講師に招き、「コロナ下の地域づくり」をテーマとする講義に耳を傾けた。
地域や住民の暮らしの再生を目指すために、地域の視点から、コロナ後の新しい地域経済社会のあり方を展望し、その実現に向けた具体的な取り組みを学んだ。
講義で岡田名誉教授は、コロナ禍で見えてきた「地域・自治体」の重要性を挙げ、地域経済をつくる、地域社会を維持する最大の経済主体は農家や協同組合、地方自治体、中小企業などと強調。地域の特産品などに付加価値を付けたことで、雇用を生み出した地域内経済循環の具体的な事例を紹介。
日本有数の豪雪地帯長野県栄村の特産品で、県の伝統工芸品に指定されているわら細工「猫つぐら」は、もともと赤ちゃんをいれて寝かせておくつぐらを猫用に改良。ペットブームを背景に愛好家達から人気を集めた。作り手によって品質に差があったことから、製法を統一し商品化。委託販売や直売所などでも売られ、雇用を生み出すまでになったと解説。足元の「地域」に視点を置き、内部循環経済をつくることが経済社会再生の原点とした。
塾頭の荒芝裕一さんは「コロナ禍で地域に大きな変化があった。組織活動は停滞したものの内容は密に、知恵を絞りながら学びを深めたい」と意気込んだ。
次回は、2月上旬に関東方面の視察研修会を予定している。

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