りんご栽培推進大会/栽培技術のさらなる向上を目指す

JA上伊那
より良い生産を呼びかける小川専門部長(伊那市狐島で)
より良い生産を呼びかける小川専門部長(伊那市狐島で)

JA上伊那果樹部会りんご専門部は1月16日、伊那市狐島のJA本所でりんご栽培推進大会を開いた。生産者や関係組織職員ら90人が出席。2022年度の実績や反省点などを確認したほか、上伊那で普及を進める高密植わい化栽培について学んだ。
同大会は課題を整理し、さまざまな情報を今後の栽培管理に活かすことで、品質向上や生産拡大、生産意欲向上につなげることを目的としている。
22年度は凍霜害や天候の影響も少なく品質は良好。販売高も目標としていた6億円を大きく上回る約7億3000万円となった(1月10日時点)。23年度に向けては近年、猛暑日となる日数が増えたことによる日焼け果の発生や、増加傾向にある害虫キンモンホソガの対策などを確認。生産資材コスト高騰など厳しい状況が続くが、県内トップクラスの生産技術や向上心をさらに高めていこうと呼びかけた。
講演では世界のリンゴ情勢についてJA全農長野生産振興課技術顧問の小池洋男さんが説明し、海外と日本の高密植わい化栽培の違いを学んだ。その後、伊那市の農園で実際に高密植わい化栽培の新植・改植した際の様子や、定植距離による樹体と果実品質の調査結果を発表した。
小川忠義専門部長は「今までにないほど豊作の年だった。反省点だけでなく良かった点の要因もしっかり突き止めて、来年の栽培に活かしていきたい」と意気込んだ。
同JAでは今年新たに個人農家で荷送りしていた贈答用リンゴの選果作業の受け入れを開始。また、21年度から着色を促進させるために行う葉摘み作業の省力化を目指す摘葉剤を使った試験栽培を行うなど、生産者の作業負担軽減にも積極的に取り組んでいる。

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