ハイジの里売上7億円目前 地元客に定着

JAあづみ
事務所入口に売上ランキング表を貼る後藤店長
事務所入口に売上ランキング表を貼る後藤店長

JAあづみが運営する大型農産物直売所「安曇野スイス村ハイジの里」の売り上げが7億円目前だ。売上高(2022年3月~23年1月11日)は、前年同期比7.2%増の6億7,741万円。出荷会員同士の競争意識向上や徹底した鮮度管理、毎日開催しているイベントによる集客力などを背景に売上高を伸ばしている。
売上高のうち出荷会員の売り上げも前年同期比10%増の2億6,784万円と大きく伸びており、目標の2億8,000万円は射程圏内。レジ通過者も同1万1,433人増の32万3,367人と伸長。近くで「安全・安心な農産物が買える直売所」として地元客に定着した。
売り上げを伸ばす鍵は、約730の出荷会員の競争意識の向上だ。毎日、「売上点数上位ランキング」を掲載した表を事務所入口の目立つ場所に掲示。出荷に対して意欲的になり、競争意識も芽生えるようになった。レシピの同封や手書きのイラストを袋に貼ったり、野菜の色味が見やすくなる包装をするなど、見せ方の工夫や鮮度を意識する農家が増えたことも売れる要因になっている。
農産物の鮮度管理も徹底。陳列される野菜は原則、朝取れのもので売れ残りは翌日出荷できないルールだ。鮮度を強みに、周辺に11店舗ある競合スーパーに負けない店づくりを進める。
後藤祐輔店長は「栽培面積を大幅に増やし、毎日出荷してくれる会員が増えた。開設以来、最も豊富な品数と物量で消費者を迎えることができたおかげで地元客に定着した」と感謝していた。
集客対策としては、直売所で毎日行われる催しを紹介するカレンダーをレジ横や入り口に掲示する。客が持ち帰れるA5判のカレンダーも、毎月1,200枚ほど印刷。旬の特設コーナーやお買い得情報、精米無料サービスなどを発信する。毎日何らかのイベントを行っている状況を発信することで、リピーターの獲得につなげている。
憩いの空間イートインコーナーも充実。地元食材をふんだんに使ったピザや塩をかけて食べる期間限定のトマトアイスクリーム、加工品など充実したメニューが家族連れに好評。22年9月から週末限定で販売を始めたハイジの里オリジナルアップルパイは、出荷会員のコメ農家と共同開発。安曇野産「玄米粉」をパイ生地に使用し、主役のリンゴは季節ごとに品種を変えるなどこだわっている。玄米のほのかな香ばしさや、リンゴ本来の自然な甘さが味わえるとして、これまでに約1,000個(1ホール=1,480円)販売。週末を待ちわびる消費者の人気を集めている。
出荷農家らでつくる安曇野スイス村ハイジの里運営協力会の榑沼正次会長は「まだまだ通過点と考えている。来年度には8億円、最終目標の12億円に向けスタッフ・会員一丸で突き進む」と意気込んだ。
2月1日には「安曇野スイス村ハイジの里 総取扱額7億円突破記念大会」を開催し、7億円達成に向け会員、スタッフの意志結集を図る予定だ。

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