伝統食「凍り餅」づくりはじまる 介護食や離乳食にも

JA大北
軒下にずらりと並ぶ凍り餅
軒下にずらりと並ぶ凍り餅

長野県大町市常盤の農産物直売所「かたくり」で、冬の寒さを活かした伝統食品「凍り餅」づくりが1月7日から始まっており、会員らは精を出して製造に取り組んでいる。今年は約4000連(1連10個)をつくる。
凍り餅は、地域の特産品のひとつであり、伝統の味を維持していこうと、同直売所凍り餅部会の会員が地元で契約栽培するモチ米「もちひかり」を使って、全て手作業で作っている。
製造では、始めに男性会員が臼ときねでついた餅を女性会員らが一定の大きさに伸ばし、長方形に切り分け、和紙で包んで10個をひもで1連にする作業を日中行う。そこから連にしたモチを約2日間水に浸した後、軒下に吊るす。その後2~3ヶ月ほど軒下で寒風にさらし、乾燥させれば、サクサクとした食感の凍り餅が完成する。ポイントとして、夜の氷点下となる冷え込みで凍り、昼間の暖かさで溶ける。これの繰り返しによる乾燥が重要で、その年の天候に大きく左右される。
食べ方は様々で、水に浸し戻して食べたり、フライパンや電子レンジで加熱し、戻して食べたりなど。また、ピザや大福の生地に練りこむなどアレンジとして様々な料理にも使える。長期保存もできるため、非常食としても良い。凍り餅の特徴としてモチ本来の自然な味で、餅に戻して時間が経っても固くならない。また、小さく砕いて水で戻した時には液状になるため、喉に詰まりにくく、離乳食や介護食としての需要もある。
同部会の横山美知恵さんは「自然食で、添加物は一切含まれておらず、栄養もばっちり。食べ方も色々とあるので、多くの人に食べてもらいたい」と話している。
凍り餅づくりは今月20日まで行われ、完成は今後の天候にもよるが4月を予定している。販売する凍り餅の種類は、白餅のほか、ヨモギ、しその全3種類。同直売所(3月中旬まで休業)の他、同市のJA大北農産物直売所「ええっこの里」などで販売を行っている。

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