JA信州諏訪野菜専門委員会セルリー専門部会は12月20日、原村地域農業研修センターで「令和5年度セルリー作付け指導会」を開いた。生産者や職員ら37人が出席し、作柄安定対策や各種障害対策を確認。長野県野菜花き試験場が、全層心土破砕機「カットブレーカーmini」を施工してほ場の排水性を改善することで、セルリーの生育環境が好適となったことを報告した。夏場の異常気象への対応策として期待がかかる。
管内では近年、温暖化によるゲリラ豪雨や長雨が発生。この影響でほ場が滞水し、生育不良や黄化等、甚大な被害が及んでいる。そのため、営農部は同試験場、諏訪農業農村支援センター協力のもと、排水対策など、セルリー栽培に適した生育環境を整え、高品質・安定生産の継続をめざす取組みを行っている。
「カットブレーカーmini」はトラクターに取付け、作土層の下にある固く締まった耕盤層に切り込みを入れることができる作業機。耕盤層を破壊することで地下に排水がされやすくなり、セルリーにとって最適な土壌水分が保たれる。
同試験場は2021年秋、原村のほ場で「カットブレーカーmini」の施工試験を実施。施工区は無施工区に比べて排水性が改善され、生育環境が好適となる結果だったことが報告された。
さらに、同支援センターは2022年度、排水対策と亜リン酸肥料の育苗培土への混用、定植時施用、葉面散布を組み合わせて行った農家のほ場で、効果がより発揮された傾向があることも示した。
同部農業振興センターの五味有係長は「信州諏訪は夏場のセルリー出荷量日本一の産地。生産者の皆様に安心して栽培・出荷をいただけるよう、試験を続けていきます」と話している。
JA原村農機センターでは「カットブレーカーmini」のレンタルを行っている。