果樹農家を対象に次世代総点検運動開始 地域で対話×農業未来づくり

JAあづみ

JAあづみ農政協議会は18日、安曇野市豊科のANCアリーナ(安曇野市総合体育館)で「第2回農政学習会」を開いた。委員や生産者、JA理事、JA役職員ら約120人が参加。
農業が直面する農政課題を共有し、今後の行動を考えるきっかけとなった。JAや県、市農業委員会などの行政、生産者が一体的に農地の集積・集約化を進め、効率的な農業生産による「農家所得増大」、「持続可能な農業生産基盤づくり」を目指す。
学習会前に千國茂組合長は「差し迫った農政課題が山積し、我々の生産現場は音を立てて変わろうとしている。学習会を通じて論点を整理し、課題を共有し、それを踏まえてどう行動するかを学び考えるきっかけにしたい」と挨拶。
長野県松本地域振興局松本農業農村支援センターとJA長野中央会から講師を招き(1)地域計画の策定(2)食料・農業・農村基本法の見直し(3)みどりの食料システム戦略(法)(4)水田活用交付金・畑地化支援事業について学び、同JAの取り組みと今後の活動について担当者が説明した。
同センターの曽山岩美係長が地域計画について解説。地域計画とは、各地域での話し合いにより目指すべき将来の農地利用の姿を明確化したもの。人・農地プランを、市町村が策定する計画として法定化し、農地1筆ごとに将来の農地利用者を特定した「目標地図」を柱に、農地を適切かつ効率的に利用する。
今後、高齢化や人口減少の本格化により更なる農業者の減少や耕作放棄地が拡大し、地域の農地が適切に利用されなくなることが懸念される。農地が利用されやすくなるよう、農地の集約化等に向けた取り組みを加速化することが、喫緊の課題。
曽山係長は、地域計画(目標地図)策定は、「地域の農地の持続的な活用に向けありたい姿を農業関係者が共有するチャンス。令和7年3月の策定まで思った以上に時間がない」とし、JAや行政らが一体となって速やかに地域農業の在り方などを協議する場を設けることの重要性を強調した。
また、同JA営農経済事業部の丸山昌則次長がJAの取り組みを報告。「人・農地プラン」の法定化を受け地域計画(目標地図)策定の基礎となる意向調査を「次世代総点検運動」と提唱、先行して約700軒の果樹全農家を対象に総点検を始めた。さらに地域の農地情報共有手段として、同市穂高地域でモデル的に「農地調整会議」を立ち上げ、これまでに2回、地域の農業委員やJA理事らによる情報交換が行われているとも加えた。
丸山昌則次長は「法定化された地域計画の策定は、安曇野の農業が永続するよう将来に導く共有意思。農業者同士での地域の話し合いが意思反映する唯一の機会となり、農業を通じた豊かな食の生産、それを支える暮らしが未来永劫続くよう夢を持って作り込んで欲しい」と要望した。

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