JA直売所で「信州切干大根」販売/農福連携で誕生 総力でつくりあげた一品

JA信州諏訪
「信州切干大根」の袋詰めを行う利用者
「信州切干大根」の袋詰めを行う利用者

岡谷市の多機能型事業所「社会福祉法人つばさ福祉会 希望の里つばさ」は11月14日から、JA信州諏訪農産物直売所「夢マーケット田中線」(同市)や「さざなみ新鮮市」(諏訪市)などで手づくりの切り干し大根「信州切干大根」を販売する。管内農家から譲り受けたダイコン計240キロを使用。農業と福祉が協力し、相乗効果を生み出す「農福連携」を実現し、皆の総力でつくりあげた一品を地域に届ける。
この活動は2019年、地元食品スーパーに勤務していた諏訪市の大浦篤志さん(46)が、たくさん収穫できた野菜の有効活用、同事業所利用者の新たな仕事の一環として着想したもの。パッケージデザインには岡谷南高校書道部が関わった。昨年からは大浦さんが個人で支援しながら同事業所が製造を続ける。
10月25日、同市のほ場で、事業所利用者と職員、農家、JA職員13人でダイコンの収穫作業を行った。その後、利用者と職員、ボランティアが協力してダイコンを洗って皮をむき、切り干し大根用に手作業で切ってから専用の機械で乾燥させた。
11月8日、事業所施設内で利用者が袋詰め作業を行った。切り干し大根の計量を行う人と袋詰めをする人に分かれて効率よく進め、400袋(1袋30グラム入)を仕上げた。12月末には正月用に向け、さらに生産を行う予定だ。
「信州切干大根」は、ダイコンを太めにカットしているため、ポリポリとした歯ごたえを楽しんでもらえるのが特長。事業所職員の秦百合子さんは「松前漬けなど漬物にするのがおすすめ。購入した人からとても好評で、『今年も楽しみにしている』という声もいただいている」と話す。
また秦さんは「ダイコンを余すことなく使ってつくった商品。農家の皆さんにも喜んでいただけると思う。ぜひ多くの皆さんに食べていただきたい」とし、「夢は全国展開。活動を定着させ、販売場所の開拓にも力を入れていきたい」と抱負を語る。
JA理事で同市の濵由美子さんは今年初めて活動に参加し、所有するほ場(約3アール)にダイコンを定植。収穫作業を支援した。濱さんは「長年志していた『農福連携』への一歩を踏み出すことができた。利用者の皆さんが楽しそうに農作業を行ってくれ、うれしく思う。地域皆で農村生活を守っていきたい」と話した。
「信州切干大根」は1袋220円で販売する。

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