駒ヶ根あんぽ柿の加工作業開始/荒廃地から特産品を

JA上伊那
ひとつひとつ確認しながら並べる作業員
ひとつひとつ確認しながら並べる作業員

駒ヶ根市竜東地区の柿農家からなる竜東あんぽ柿研究会は11月1日、同市中沢にあるJA上伊那駒ヶ根東支所構内の作業場で「駒ヶ根あんぽ柿」の加工作業を開始した。今年の柿は「なり年」で、昨年より約5トン多い15トンの出荷を見込んでいる。
駒ヶ根あんぽ柿は同研究会が駒ヶ根市の活性化や特産品をつくろうと2008年から生産に取り組んでいる。同地区で荒廃地となっていた桑畑を利用して栽培している種のない品種「平核無柿」を使用。乾燥させる期間は1週間ほどで、水分量が30%以上と通常の干し柿よりも高く、濃厚な甘みとなめらかな食感が特徴だ。また、添加物を一切使わずに加工している。
この日は10人ほどが加工作業を行った。機械で皮をむいた柿を手作業でひとつひとつ丁寧に確認。約1トンの柿を専用の乾燥機へと運んだ。
同研究会の木下重夫会長(71)は「無添加で、種がなく柔らかいため誰でも食べやすい。ぜひ手に取ってあんぽ柿の甘みを実感してもらいたい」と話した。
同研究会では柿を自然乾燥させてつくる「ころ柿」の生産も今年から開始。ころ柿を生産することで昨年まで受け入れていなかった小さいものまで加工を行い、販売につなげることが目的だ。同研究会のあんぽ柿やころ柿は12月下旬ごろまでJA農産物直売所などで販売される。

MENU