消防署の農業機械事故対応研修会をサポート

JAグリーン長野
農業センター職員が消防署員に農機の分解方法を伝授
農業センター職員が消防署員に農機の分解方法を伝授

JAグリーン長野川中島農業機械センター(長野市川中島町)は、11月4日、長野市消防局中央消防署安茂里分署の「農業機械による事故対応研修会」を受け入れた。近年、農繁期の農業機械関連事故が増えるなか迅速な対応に努めることが目的。同分署古川英一署長によると、講習は、中山間地域を抱えるなかで、ロータリーが刺さるなどの農作業事故が発生した際にドクターヘリが出動した場合に、「ヘリ内部は非常に狭く、事故機とともに搬送することは難しい」と署員が考えたことがきっかけ。農機の構造等を知らない署員も多いため研修を企画した。分署中心に中央消防署管内の署員15人が出席。JA職員2人から、管理機をはじめとした機械の構造、発生事例の多い事故とその原因、機械分解のポイントを聞いた。小型管理機については、ロータリーが足に刺さったことを想定し、ロータリー部分の分解が可能であるか、分解方法や注意点を説明しながらJA職員が実演。メーカーや種別により構造に違いがあることや、経年劣化によるサビなどにより外れない可能性もあり切断するほうが早いことなど、整備とは違った緊急時の状況を加味して、対処をアドバイスした。
合わせて、署員が持ち込んだ救助資機材の有効性の検証を目的に、廃棄する管理機のロータリを提供し、グラインダーやエアソー(空気鋸)、鉄筋カッターなどを用いて、切断までの時間やケガ人への振動等の負担、切断時の留意点などを確認。署員はそれぞれの留意点を目で見て体験して共有していた。古川分署長は「こういった研修の機会がなく、実際にやってみなければわからず、思っていた構造と違うことなども知ることができ、大変有意義な機会だった。これを生かし、事故やケガが発生した場合の迅速な救護につなげたい」と話した。
JA生産購買部農業機械課玉井克彦課長は、「消防署とやり取りをする中で、JAでは把握しきれていない事故が多く発生してることが分かり、改めて農作業事故を防ぐように組合員の皆さんに周知していきたい」と話した。消防署では、今回の研修内容をそれぞれの職場内でフィードバックし、緊急時の有効な対応につなげていきたい考えだという。

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