「安曇野市×あずさマルシェ」 安曇野の恵み特急あずさ号で東京へ

JAあづみ
松本駅であずさ号に農産物を運び込むJR社員
松本駅であずさ号に農産物を運び込むJR社員

安曇野市とJAあづみ、JR東日本が協力し、30日までの3日間、安曇野産の新鮮な農産物を特急あずさ号に載せ、駅利用客に販売する「あずさマルシェ」を実施した。新鮮な農産物を買い求める行列ができ、売り切れる商品が続出した。
この取り組みは、安曇野産の農産物の美味しさをPRし、農業者の所得増大に繋げるとともに観光地・移住地としての魅力を発信するため同市が企画した。
特急あずさ号の速達性や定時性を生かし、特急あずさ号沿線地域の魅力ある食材や地域品などを首都圏の消費者へ提供できる。JAは農産物の販路拡大や消費宣伝を狙い、JRは首都圏の利用者に付加価値の高い特産品を提供する場を設けることで、将来的に長野県旅行者の増加につながるなどのメリットがある。
期間中は、朝6時に収穫したスイートコーンを始め、新米コシヒカリやリンゴ、梨、シャインマスカット、ワサビなどを特急あずさ号で毎日運び、東京都のJR新宿駅構内の催事場で販売。初日の28日は、スイートコーン250本が販売開始から約1時間で完売するなど大人気で、シャインマスカット90房やリンゴ230個なども完売した。2日目の29日には、太田寛市長と千國茂代表理事組合長が店頭に立ち、新鮮な農産物を対面で売り込んだ。3日間の売上高は98万円、レジ通過者は906人と盛況だった。
リンゴやシャインマスカットなどを買った東京都杉並区の主婦(54)は「朝採れた農産物と聞いて覗いてみたが、新鮮な野菜や果物を買えてよかった。これから娘の所に行くので一緒に食べたい」と喜んでいた。
同市の赤澤哲也農林部長は「安曇野の農産物のインパクトは残せた。主力農産物は2時間のうちに売り切れ、お目当ての物が買えずに残念がる乗降客もいた。その気持ちが安曇野に対する想いとなり、観光や移住に繋がれば」と話した。
JR東日本長野支社運輸部事業課の中山貴央課長は「1年前からビジネスベースで駅内を中心に展開している。荷物は農産物や魚介以外にも精密機械など色々なものに広がってきたのでその辺の幅を広げつつ、運輸先についても駅内以外に百貨店や飲食店などに展開していけたら」と期待を寄せた。
営農経済事業部販売開発課の牧田正樹課長は「翌日にまた買いに来たお客様が多かったのが嬉しい。新鮮な安曇野産の農産物を首都圏の消費者にPRできて良かった」と話し、「これを機に、首都圏の消費者への販路を拡大していきたい」と意気込みを述べた。

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