愛情込めた牛が全国大会へ 下伊那農業高校で会場へ向け出発式

JAみなみ信州
「れいん」と世話をするあぐり研究班の3年生
「れいん」と世話をするあぐり研究班の3年生

飯田市鼎の下伊那農業高校は10月に開かれる「第12回全国和牛能力共進会」で、今大会から新設された特別区「高校および農業大学校」の部で出品牛「れいん」が県代表に選ばれた。4日には同校で大会に向けた出発式を行い、トラックに「れいん」を乗せ関係者らで見送った。
県代表を決める選考会では特別区「高校および農業大学校」の部に2校から出品があった。代表に選ばれた「れいん」は、同校のあぐり研究班畜産部が飼育している生後15ヶ月の雌牛。毛並みの良さ、立ち姿が自慢で、性格もおだやかで落ち着きがあるという。同部は1~3年生16名が所属し、3年生が中心となってブラシがけ、シャワー、散歩やエサやりなど休日も当番を決めて毎日かかさず世話してきた。生徒らは畜産の知識や経験がない中、地域の生産者らに支えられながら一から勉強し、毎日の地道な世話を積み重ねて全国大会出場をつかんだ。
同部の清強志(せい・つよし)部長は農業機械課に所属、班活動では授業で学べないことをやってみたいと畜産部を選択。「牛の世話はたいへんだが、みんなで愛情込めて育ててきた牛を評価してもらえてうれしい。全国大会では牛のコンディションをしっかり整えてがんばってきたい。県内外の代表の牛がどんなものを食べてどんな生活をしているのか、それがどんな牛に育っているのか見て学んできたい」と意気込んだ。
同班の塚田真希(つかだ・まき)顧問は「日頃の世話を頑張る生徒にとって、名誉ある大会に参加できることはかけがえのない経験になる。畜産の広い世界を知ってより理解や興味を深められると思う」と話した。

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