小鮒の出荷が始まる/秋の味覚を休耕田で

JA上伊那
出荷に向け重さを量るJA職員
出荷に向け重さを量るJA職員

JA上伊那鮒部会は8月29日、小鮒の出荷を開始した。小鮒は上伊那地域の秋の味覚として親しまれており、管内では同部会員9人が休耕田を使って駒ヶ根市を中心に養殖している。出荷初日は、同部会の西村政雄部会長(67)が約103キロの小鮒を生きたまま出荷。小鮒は管内のA・コープなどで鮮魚や甘露煮として販売している。
西村部会長は同市中割の休耕田約10アールで小鮒を養殖。5月末に親鮒約120匹を放ち、ふ化させた稚魚を約3ヵ月かけて丁寧に育てた。水管理に気を付けながら農薬を使わず、3~5センチの大きさになるまで養殖した。
出荷3日前には休耕田から自宅の敷地内にあるいけすに移し、泥抜きを行った。当日は泥抜きした小鮒をJAの担当職員を含む3人ですくい上げて重さを計測。生きた状態で発泡スチロールや袋に入れて出荷した。
西村部会長は「秋の味覚として毎年、待ち望んでくれている人もいる。甘露煮以外にも、唐揚げなどおいしく調理して多くの人に食べてもらいたい」と期待した。
今年は産卵状態が良く数量には期待ができるが、高温の日が多かったことで全体的に生育が遅れている。管内では10月上旬までに前年並みの約6トンの出荷を計画。最盛期は9月中旬となる見込みだ。

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