第73回子山羊市場開催 伝統ある市場で活気あるセリ

JAみなみ信州
活気あるセリが行われた子山羊市場
活気あるセリが行われた子山羊市場

JAみなみ信州と同JA畜産協議会、JA全農長野県本部は7日、飯田市大瀬木の三尋石集畜場で第73回下伊那子山羊市場を開いた。同市場は血統書付きの日本ザーネン種のみを扱う日本で唯一の子山羊市場。日本全国、遠くは九州からも購買者が集まり、この春に生まれた子山羊33頭がセリにかけられた。山羊は近年、乳用だけではなくペットや除草用としても注目されている。
同市場の前に行った共進会では、雄5頭と雌14頭が出品され、飯田家畜保健衛生所や(公社)畜産技術協会などが審査員を努め、毛並みや体格を評価。県知事賞には阿南町の伊豆より夏(いず・よりか)さんが出品した雄山羊が選ばれた。伊豆さんは母と畜産を営み牛と山羊を飼育している。「素晴らしい賞をいただけて驚いている。とにかく元気に育ってほしいとの思いで日々頑張っているのでうれしい」と喜びを語った。
同市場では飯田下伊那地域で今年2~4月に生まれた子山羊33頭(雄5頭、雌28頭)がセリにかけられた。16の個人と3つの団体が購買者として参加し、セリ札をあげ目当ての子山羊を競り落とした。大分県から参加した木村憲一(きむら・けんいち)さん(74)は牧場を営み乳製品を製造しており、この地域の山羊の生産者と普段から交流があると話す。木村さんは「食品に加工するため、生産者の顔が分かる子山羊を求めて参加している。質の良い製品を安心して製造できる」とこの日も4頭を競り落とした。
雄の平均価格は49,280円で、最高価格は64,900円。雌の平均価格は69,221円で最高額は136,400円。
同JA営農部畜産課の若林賢治(わかばやし・けんじ)課長補佐は「33頭すべて新しい行き先が決まりうれしい。この地域で山羊とともに暮らしてきた文化や伝統ある市場を維持するよう、これからも生産者と一緒に頑張っていきたい」と話した。


共進会の入賞者は次の通り
▽県知事賞=伊豆より夏さん(阿南町)◇雌の部▽特別優秀賞=林富士夫さん(泰阜村)▽優秀賞=福田渉さん(高森町)▽優良賞=菅谷紀明さん(下條村)◇雄の部▽特別優秀賞=伊豆より夏さん(阿南町)▽優秀賞=玉川翔さん(阿南町)

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