JA信州諏訪花き専門委員会宿根カスミ草部会は7月30日から、JA出荷資材「花カーゴ」を用いた出荷を始める。市場での有利販売に向けて“3日目販売”に対応するための取組み。7月12日、茅野市のJA泉野集荷所とJA北山集荷所で出荷査定会を開き、部会員が「花カーゴ」の使用方法・荷造調整の注意点などを確認した。
同部会はこれまで、“通常販売”を行ってきた。これは、セリ日前日に全箱開封検査し、昼頃市場に出荷数量など各情報を発信。情報を基に市場が売込みを行い、翌日に市場や消費者に届くもの。市場から「より迅速に情報を発信してほしい」との要望を受けたことから、今年度からは“3日目販売”も取り入れることになった。これは、セリ日前々日に全箱開封検査を行い、市場に確定した出荷情報をより早く発信し売込みを行ってもらうもの。通常販売より、情報発信から販売までの間に時間的余裕があるため、市場が売込みやすく、有利販売にもつながる方法だ。JAは当面、通常販売と3日目販売の両販売方法で、金曜日を除く週6回の出荷を受け入れる考えだ。
同部会は、3日目販売の出荷形態を検討。管内産カスミ草は、鮮度保持のため、縦型の出荷箱で茎部分を処理液に浸した状態で出荷する。3日目販売は、通常販売よりも販売までの日数が1日増えることから、資材メーカー協力のもと輸送試験を行ったうえ、「花カーゴ」の導入を決めた。「花カーゴ」は、横99センチ縦29センチの長方形段ボール紙の中央穴開き部分にポリ袋が張り付けてある形状で、かさばりづらい組み立て式。処理液は900ミリリットル注げるため、品質を維持したまま消費者に届けられる。
出荷査定会では、JA営農部農業振興センターの伊藤哲也営農指導員が、出荷規格や荷造調整の注意点などを確認。伊藤指導員は「3日目販売の出荷分は、通常販売時よりも花が咲いていない、硬めの切前で収穫していただきたい。消費者のもとに届いたときにちょうどよい咲き具合となる」と説明した。
茅野市の両角能子さん(59)は「新しい出荷形態も、あまり抵抗なくできると思う。高品質で、手に取った人に喜ばれる花を出荷していきたい」と話していた。
管内産カスミ草の最盛期は、9~10月。日量200ケース(1ケース40~200本)がJA集荷所などに出荷される見込みだ。