飯田市竜丘地域の農家で構成するグループ「あぐりの田んぼ学校」は10日、竜丘小学校5年生2クラス61名に指導して同校近くの6.5アールの田んぼで田植えを行った。あぐりの田んぼ学校は他にも同地区の保育園でも米づくりを支援しており、田んぼに特化した食育活動を行っている。JAみなみ信州も2013年から活動に協力しており、この日も同JA竜丘支所職員が作業に協力した。
あぐりの田んぼ学校の食育活動は「子供たちが主体的に考え動く」ことが目的のひとつ。スムーズに作業できるようにと前日に同校のメンバーが田植えの説明に学校を訪問した。児童らは4班にわかれ田んぼの両端から中心に向かって稲を植え、同校メンバーのサポートを受けながら稲を植える役、目印の紐を張り移動する役、稲を渡す役をローテーションしながら全員がすべての作業を担当。「こっちにも稲くださーい!」「紐を移動しまーす!」などと声をかけあいながらスムーズに作業を進め、およそ1時間半で田んぼの半分にはもち米を、残りの半分にはうるち米の天竜乙女を植えた。家が農家だという下平悠斗くん(10)は「農業は楽しいから家の農業を継ぎたいと思っている。今日もみんなと田植えができて楽しかった」とキラキラとした目で話した。
同校代表の熊谷伊久夫(くまがい・いくお)さん(75)は「子どもたちに米づくりを通していろんなことを学んでほしい。いろんな人の協力や出会いがあって活動が進化してきていまのスタイルが出来上がった。これからもこの活動が地域や子どもの役に立つよう頑張っていきたい」と話した。
同校の竹村こずえ教諭は「普段から元気な子どもたちだが今日は一段と張り切って一生懸命取り組んでいた。お互いに指摘しながらも協力する姿が見られて嬉しかった。地域の皆さんのおかげで子供たちにとって貴重な経験ができたいへんありがたい」と話した。