JA上伊那営農経済部畜産課は6月9日、同JAが管理運営する伊那市高遠町の入笠牧場に牛を入牧した。牛の運動量を増やし足腰を鍛えることで、分娩の負担軽減や長命連産効果の向上などを目的としている。この日は健康チェックや駆虫剤を投与し、牧場に放った。
今回は管内から黒毛和種15頭、ホルスタイン種4頭、ジャージー種2頭の計21頭を入牧した。今年は新たな取り組みとして、肉牛である黒毛和種と乳牛であるホルスタイン種、ジャージー種のエリアを分けて入牧した。これは一緒に成長する過程で角がある黒毛和種が威嚇や飼料の取り合いで乳牛を傷つけることやそれに伴うストレスの軽減を目的としたもの。また、畜舎から環境が大きく変わることへのストレス軽減と、負荷の少ない環境での足腰の強化を目的に、最初は範囲の限られた場所で飼育し、様子を見ながら広いエリアに移していく。
同JA畜産課の木嵜章夫課長は「広い牧場でしっかりと足腰を鍛えて事故なく立派な牛に成長してほしい」と期待した。
放牧された牛は8月上旬に中間検査を行い、9月下旬~10月上旬に下牧予定。飼料価格の高騰などにより育成コストが増える中、例年以上のコスト低減につながるとして同JAは中間検査時からの入牧を受け入れる。