自動運転田植機の実用性を見学・調査

JAグリーン長野
無人田植機と有人田植機の競演(長野市篠ノ井、5月31日)
無人田植機と有人田植機の競演(長野市篠ノ井、5月31日)

長野県長野農業農村支援センターは5月30日、「自動運転田植機実演会」を開催した。「スマート農業技術による一環体系構築のための実証調査」(令和4年度全国農業システム化研究会)として、長野県内における自動運転田植機の実用性評価・実証実験を行う前に、JA管内農家や次世代を担う農業大学校生を対象に、デモンストレーションを行い、スマート農業技術への理解や今後の導入検討等につなげてもらう目的。JAグリーン長野穀物部会員や青壮年部米穀専門部などの生産者、長野県農業大学校生など70人が出席。クボタのアグリロボ田植機(NW8SA)での「無人」の田植えの様子を見学しながら、メーカーから機械の特徴について説明を聞いた。
実演ほ場は、長野市篠ノ井の農事組合法人ゴトーファーム(同市篠ノ井/後藤貴史代表)が管理する20アールのほ場。メーカー担当者が機械に乗り込み、ほ場の形状を確認するマッピングを行ったのち、無人(リモコン)操作の状態で、密播の苗箱32枚を2回に分けて機械に乗せ、自動で田植え。見学用に低速運転したのち、高速に切り替え、約15分ほどで植え終えた。生産者は「機械が自動にやってくれるのは負担も少ない。大きいほ場をやるには、非常に良い」と話した。主催の支援センター担当者は「市内では小さなほ場も多く、この環境にあった大きさの機械で価格帯も抑えられれば、非常に生産者さんにとって効率的な作業が実現できるので、まずは、生産者さんに、最新の技術について興味お持ちいただける機会になれば良い」と話した。
翌日の31日は、実証実験としてゴトーファーム所有の有人田植機とアグリロボ田植機を同時に動かし、作業時間をはじめ、苗や肥料等を載せる補助者の動きも含め、比較調査を実施した。データは調査機関においてさらなる比較検討が行われる予定。長野農業農村支援センター西沢滝太所長は、「栽培管理に手間のかかる農業において効率化につながるよう、スマート農業技術の導入支援につながれば良い」と話している。

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