JA信州諏訪は毎年、管内の小学校5年生が授業の一環として行っている稲作体験を支援している。諏訪市の豊田小学校と岡谷市の長地小学校の児童たちは5月下旬、学校近くの水田で稲苗の手植えに取組んだ。
豊田小学校5年生59人は、約3アールの田んぼで田植えをした。同校の稲作体験は、地元農家の有志でつくる「ファーマーズ」が毎年継続して指導。今年で17年目になる。この日は、ファーマーズのメンバー7人とJA諏訪中央支所の河西孝地区統括所長ら職員4人が参加した。
田んぼに入る前に、ファーマーズ藤森一彦代表が田植えの手順を説明。児童に「鉛筆を持つように苗を持って、丁寧に植えてください」と植え方を指導。児童たちは名簿順横一列に並んで田んぼに入り、手作業で苗を植え付けた。定植したのは、「みやこがねもち」と「ヒメノモチ」の2品種のもち米苗。
服部一花さん(10)は「初めての田植えは難しかったけど、楽しかった。きれいに植えることができた」と笑顔で話した。
藤森さんは「今の田植えは機械で行う。手で植える昔ながらの田植えが経験できるのは、小学校の稲作体験ぐらい。有意義な経験にしてほしい」と話した。
今後、児童たちは定期的に水田を見守る中で、「1本の苗からいくつの籾が収穫できるか」という藤森さんからの宿題に取組む。
長地小学校5年生86人は、同校近くの田んぼで田植えをした。毎年支援しているJAの高木元一郎理事とJA岡谷支所の林和茂地区統括所長ら職員10人が参加。JAとゴールドスポンサー契約を結ぶサッカーJ3松本山雅FCの小澤修一取締役事業推進部長とボアンポン賢さん、飯田真輝さんの3人も参加した。
児童たちは、約3アールの田んぼの東側と西側の二手に分かれて並び、田植えひもに沿って、うるち米「つきあかり」と、もち米「ヒメノモチ」の苗を丁寧に植えた。
高木理事は「普段、食べているお米がどう作られているのか知ってほしい。来年以降も協力したい」と今後も継続して支援する考えだ。
竹内紗良さん(10)は「田んぼのぐにゃぐにゃした感触が楽しかった。真っすぐに植えることができた」と感想を述べた。
秋には稲刈りや脱穀、収穫祭を行う予定だ。
JAは本年度、岡谷市の岡谷田中小学校と茅野市の金沢小学校を継続支援するほか、諏訪市の四賀小学校を初めて支援する。