JAみなみ信州と南信州農業農村支援センターが行う帰農塾は2日、豊丘村神稲の船橋正晴(ふなはし・まさはる)さん(53)の圃場で第1回アスパラガスコースの講座を開いた。今年度帰農塾には51人の応募があり、アスパラコースは11人が選択。この日は10人の受講生が参加し、実際に圃場を見学しながらアスパラの栽培について学んだ。
最初に同JA営農部農産課の加藤勝斗技術員が圃場準備から定植までの工程について説明。続いてこの日会場となった船橋さんが圃場を案内しながら栽培状況や栽培管理について説明した。船橋さんは県の里親支援制度を利用して就農し今年で11年目。「自分自身も一から農業をはじめたので、不安な気持ちがよくわかる。これからはじめる人の参考になれば」と話し、「アスパラはやり直しがきかないのが難しいところだが、きちんと管理すれば植えてから長い期間栽培できる。生産者が増えて産地となれたらうれしい」と、この日も受講生に丁寧に説明し自身の経験や工夫していること、新たにハウスを建て生産量を増やす挑戦をしていることなどを語った。受講生は先輩農家の説明を熱心に聞き、「この広さで肥料はどのくらい必要か」や「排水対策はどのようにしているのか」など具体的な質問を積極的にした。
この日参加した60代女性は「退職を機に故郷へ帰ってきて、母が以前していたアスパラ栽培をはじめようかと考え、少しでも知識をつけるために帰農塾に参加した。実際に生産者の圃場で話が聞けてとても参考になった」と振り返った。
帰農塾では新たにに農業経営に取り組みたい人や直売所等への出荷・販売を目指す人など、農業経営に意欲的に取り組みたい人を対象に講座を行う。全体で農業の基本を学ぶ基礎講座と、希望する品目の栽培を学ぶ専門講座を選択する。専門講座にはりんご、柿、きゅうり、トマト、アスパラガスの5つがあり、本年度の各講座がスタートしている。