広島産レモン初選果 中継基地の役割担い販売増に貢献

JAあづみ
丁寧に傷の有無を確認し選果機にレモンを流す選果員ら
丁寧に傷の有無を確認し選果機にレモンを流す選果員ら

JAあづみは、広島県呉市のJA広島ゆたかと業務提携し、安曇野市三郷小倉の大型冷蔵庫で4月下旬から貯蔵していた広島県産レモンを10日、JA小倉選果所で初選果した。
7月中下旬まで果実がない時期にJAあづみの施設を有効活用し、国産レモンが品薄となる夏場に首都圏や関西、中京方面などの大消費地に国産レモンを供給する「中継基地」としての役割を担い、JA広島ゆたかの販売増に貢献している。
JAあづみが広島産のレモンを受け入れるのは10年目。毎年100トン前後を選果していたものの、2021年1月の凍害の影響で収穫量が少なく59トンを貯蔵・出荷する見通しだ。
初日は、約20人の選果員が2トンほどを選果。選果前には目ぞろい会を開き、JA広島ゆたか営農販売部山根和貴部長が傷んだレモンの見分け方や規格外品の見分け方などを説明。レモンを一つずつ手作業で傷の有無を確かめ、3L~SSの6階級に選別した。
5月16日頃の出荷まで再び貯蔵し、6台の大型加湿器で気温5~8℃、湿度90%を目安に品質管理する。出荷作業は6月中旬まで続く予定。
昨年に引き続き、約30トンを鮮度維持特殊フィルム「P-プラス」に個包装する。JA広島ゆたかによると、袋詰めされたレモンは1個200円ほどの高値で取引されることもあり、生産者の所得向上に一役買っているという。1年を通して広島レモンが出荷できるように2006年に開発された。個包装すると、レモンの呼吸作用をコントロールして鮮度を保つことができる。低温で貯蔵することで、国産レモンの端境期となる夏場の出荷が可能となった。夏場の国産レモンが不足する時期に出荷できるため、市場からの評価は高いという。
山根部長は「大型冷蔵施設や選果機などの活用で夏場の端境期に出荷できるようになり販売増などメリットが多くありがたい。作柄にもよるが200トン~300トンはお預けしたいと思っている」と語った。
JA果実中央選果所の福岡直樹センター長は「レモンの貯蔵と選果により施設の稼働率が上がり、地元の雇用創出にもつながっている。直売所にもレモンが並ぶことでPRにもなるので大変ありがたい」と話した。

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