ドローンを使い人工授粉実験/リンゴ液体受粉

JA佐久浅間
ドローンを使用した人工授粉実験
ドローンを使用した人工授粉実験

JA佐久浅間は4月28日、立科町の圃場で農業用ドローン(小型無人飛行機)を使ったリンゴの人工授粉実験を行った。結実率などを調査し、実用化に向けて取り組んでいく。
リンゴは自らの花粉では受粉せず、他品種の花粉で受粉し、結実する性質を持つ。そのため、リンゴの開花期に合わせてミツバチなどの訪花昆虫の他、人の手による授粉作業が行われる。こうした作業は、農家の負担が大きい。ドローンにより作業時間を短縮することで農家の負担を減らすとともに、受粉不良で起こる変形果などの品質低下を防ぐのがねらい。
使用したドローンは昨年同JAが新たに導入した、DJI社製T-30。果樹散布モードが追加され、アームの角度が斜めに設定されており、薬液を上下均一に付着できるのが特徴。
散布には純花粉や水、砂糖、キサンタンガム、ホウ酸を混合した溶液をドローンに搭載。散布状況が視認できるよう食紅を混ぜた。昨年は寒天を使用したが、タンクの中で溶液が固まるなど課題が出たため、ドレッシングやソースのとろみ付けに使用されるキサンタンガムを使用。約20アールの圃場に約4分で作業は終了した。
JA花卉果樹振興センターの宮澤武志センター長代理は「スマート農業の導入で労力軽減ができる。省力化することで、生産規模の拡大や高品質なリンゴを生産できるようにしていきたい」と話している。

MENU