夏秋いちご定植進む 2022年度販売計画3億8,571万円

JAあづみ
苗を定植する農家
苗を定植する農家

全国有数の夏秋いちご産地JAあづみ管内では、定植作業がピークを迎えている。2022年度は46戸の農家が6.1ヘクタールの作付けを予定し、同JA夏秋いちご部会業務用出荷部は131,278キロ、同部会市場出荷部は250,067パックの出荷を見込んでいる。
12日、安曇野市の農業用ハウスでは、農家が定植作業に汗を流していた。発泡トレイに培養土を引き詰め、10センチほどの穴に定植粒剤と根をほぐした苗をいれ、優しく土を被せた。今後、株や実を大きくするための摘花、摘葉作業を進め、アザミウマなどの病害虫対策を講じ、6月上旬頃から11月末まで長期出荷する。
管内で主に栽培する品種は、北海道の種苗メーカーが開発した「すずあかね」を主体に県独自の「サマーリリカル」など4品種。いずれも6月上旬から11月末までの長期出荷が可能。約6割は業務用に大手洋菓子メーカーなどに直接販売し、約4割は関西や県内市場に出荷する。収量・品質向上に向けた取り組みを継続するとともに出荷開始時期の調整や摘果などによる小粒対策を講じ、農家手取りの確保に努める。22年度販売額は3億8,571万円を計画している。21年度の夏秋いちご販売額は、前年対比約2,000万円増の3億5,290万円を記録。市場部の販売額は同比46%増の1億1,522万円、業務部は同比7.4%減の2億3,768万円。市場・実需者ニーズを捉えた出荷や品質・収量の高位平準化に向けた取り組みにより販売額が増加した。とりわけ、携帯アプリの「LINE」を活用した新たな取り組みは、市場関係者から好評を得た。写真に収めた圃場の状態や病害虫の発生の有無といった「産地情報」や市場関係者から届いた改善点、栽培技術情報などを市場関係者らと結成したグループLINE内で共有することで信頼される産地づくりと綿密な情報共有を図った。
同JA営農経済事業部農産課の増田真生営農指導員は「実需者の需要に併せた出荷量や品質の確保、産地としてのブランドを維持向上できるよう、技術情報の発信や行政と連携した試験の実施など、農家手取りに繋がる栽培指導を行っていきたい」と意気込んだ。

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