吉越養鶏場 県知事賞受賞 夫婦でつかんだ栄冠

JAながの
吉越社長(右)と畜産を担当するJA営農技術員
吉越社長(右)と畜産を担当するJA営農技術員

JA長野県養鶏部会が主催する令和3年度鶏卵品質共励会最終審査会が2月に開かれ、飯山市の吉越養鶏場が最高位の長野県知事賞を受賞した。同賞に輝いた卵は白色鶏のジュリア種から産まれ白身は張りと弾力があり、黄身は濃厚でほのかに甘みを感じるのが特徴。審査は年間を通じて5回実施され、鮮度、卵殻強度、卵黄色調、卵重など、総合的な判定にもとづき決定された。
同養鶏場では約1万2千羽の成鶏と6千羽のひなを飼育している。商品名「菜の花みゆき卵」としてJAながの農産物直売所千曲川や、地元A・コープみゆき店を中心に販売をしている。2代目社長の吉越洋治さん(49)はこの養鶏場を父親から受け継ぎ今年で30年を迎える節目の年。吉越社長は「やっとたどり着いた受賞を心から喜びたい。猛暑に豪雪と厳しい飼育環境の中、鶏たちが本当に頑張ってくれた」と、夫婦二人三脚で歩んできた妻の多津子さんと今回の受賞をかみしめた。
だが、国際情勢が不安定の中、原油や穀物飼料の高騰が畜産酪農農家を苦しめている。同養鶏場では月に要する飼料は50~60トン。昨年から比べると約2~3割上昇しいて経営を圧迫しているが、鶏にしっかり栄養を取らせ、良質な鶏から産まれるたまごを消費者へ届けたい、との思いから、飼料は減らさず十分に与え、鶏の体調管理を徹底している。吉越社長は「長野県内の養鶏場が減少している中、県内産のたまごを絶やさないよう守って行きたい。皆さんにおいしく消費していただくことが一番の特効薬です」と前を向く。JAでは補助金や鶏卵の安定消費に向けた対策を強化していく。
この共励会は県下養鶏農家の卵質向上、経営安定、産地銘柄卵の確立を目的とし、21年度は9件の養鶏場が審査に臨んだ。

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