JAグリーン長野は2022年度、「農福連携」の検討を事業計画に盛り込んでいる。課題となる遊休農地対策や労働力確保対策の一つ。就労支援施設等との関わりを持つことを第一ステップに、事業者の実情に応じた農業への参入や営農指導による支援を行うとともに、地域農業・振興品目の生産拡大、共選等への参入を提案するほか、今後、JAにおける農福連携の在り方・かかわり方を検討し、農福連携を、地域の課題へのアプローチにつなげたい考えだ。
第一ステップとして、花き部会では、営農技術員が事業者の求めに応じ、取り組みやすい品目を提案している。営農指導の一環として、部会生産者のもとを事業者代表らと訪れ、栽培方法を部会生産者に聞くなどして、栽培技術の習得に寄与する目的。営農技術員が3月31日、就労支援施設 株式会社なから(長野市青木島町)の生花部長を花き・野菜の生産者小出秀夫さんのほ場へ案内した。営農技術員は兼ねてから同社に対し、「コギク」や「ユーカリ」「アスター」の栽培を推進。今年は「アスター」の新規導入が決定され、種苗の確保等を支援するほか、種まき作業方法や以後の管理についてポイントを先輩生産者から学ぶ機会を設けた。
ほ場では土づくりや種まきのコツについて、小出さんの作業を見ながら確認。作業分担を行うこと、発芽までの水管理(乾燥)に注意すること、病害等の注意点などを確認した。小出さんは「ほかの花に比べて手間がかからず、種まき等は根気仕事だが、人手があればやりやすい」と後押し。作業等において施設利用者の作業支援等を行う生花部長は「量が量なので大変だが、より多く収穫し、利用者さんと楽しくやっていけるようにしたい」と話す。次年度はコギク栽培も予定し、アスターも含め、自社販売のほか、JAへの共選出荷も目指している。
JAでは、引き続き農福連携に取り組む管内事業者等を支援するとともに、地域農業振興と農福連携のかかわり方を検討する考えだ。