JAグリーン長野果樹部会(りんご・もも・ぶどう・特産果樹)は、3月24日から30日まで、「役員総会」を、部会ごと長野市篠ノ井のグリーンパレスで開いた。新型コロナウイルス対策をによって「定期総会」を縮小し、生産者代表出席のもと、2021年度の部会事業報告と2022年度の事業計画、新役員の選出などを協議。21年度は4部会ともに21年4月の凍霜害被害を受け、また、降ひょうや多雨の影響により、出荷量・品質低下を招き、非常に厳しい生産状況だった。このなか、JA生産販売部では、品目により被害果の特別荷受対応等の対策を講じ、営農部では気象災害における事前・事後対策の周知徹底に努め生産者手取りと産地の維持に注力。何より、生産者の出荷への努力によって、28億円余(前年対比98%)を確保。部会ごと改めて、「果樹生産の振興・拡大」を確認し、生産者総意のもと、22年度部会事業のスタートを切った。
このうち、もも部会は28日に総会を開催。「長野県NO,1のモモ・ネクタリン産地の維持」を掲げ、台風19号からの復興、20年度の課題となった「モモせん孔細菌病」抑止に取り組んできた。耕種的防除の徹底に部会を挙げて対策を講じた結果、「モモせん孔細菌病」は平年以下に抑えられた。また、低温の影響も受け、出荷量は計画の88.4%となったが、販売金額は9億円余(計画比101.8%)を確保した。さらに、産地維持・育成等、長年の部会活動が評価され、「日本農業賞 長野県代表」を22年1月に受賞。宮崎淳一部会長は、「部会長に就任してから台風・せん孔・コロナともも部会にとっていい情報がなかったが、長野県農業賞受賞はひとえに諸先輩方のご努力のもとにもらったもので、非常に誇らしい。これを励みに栽培に努めていていこう」と話した。
近年、「種なし品種」の生産拡大により、生産販売高が右肩上がりだったぶどう部会では、新品種「クイーンルージュ®」の本格出荷や、種無し品種のさらなる需要拡大により、引き合いも強かったものの、全体的な肥大不足、未熟果混入による出荷量・品質低下、さらに、一部地区の降ひょう等が響き、出荷量は593トン(計画比77.4%)、販売金額は9億9千万円余(計画比94.8%)にとどまった。部会では、長年新品種の導入・技術検討と常に最先端のぶどう栽培に取り組んできた「ロマンクラブ」について、種無し品種の生産拡大に一定の成果を残したとして解散を決定。今後、部会全体で改めて種無し品種のさらなる生産拡大と品質向上に取り組む考え。
JAでは、果樹産地の維持拡大に向け、営農指導・生産販売・生産購買一体となり、生産者支援に一層取り組んでいく考えだ。