果樹凍霜害対策指導会/事前対策から確実に/JA上伊那営農経済部

JA上伊那
笠井さん(手前)から燃焼法の説明を聞く参加者
笠井さん(手前)から燃焼法の説明を聞く参加者

JA上伊那営農経済部は3月9日と11日に管内4会場で果樹凍霜害対策指導会を開いた。このうち11日の南箕輪村のりんご畑で行った指導会には生産者15人が参加。JA営農経済部北部営農センターの笠井拓真果実指導員や上伊那農業農村支援センターの職員などが、凍霜害対策について説明した。同JAでは今年、凍霜害について早い段階から注意してもらいたいと例年より時期を早めて開催した。
近年、凍霜害による果樹生産への影響が大きく出ている。令和3年度の同JA管内では北部地区(南箕輪村・伊那市・箕輪町・辰野町)を中心に被害が発生し、約4500万円(結実しなかったもの)の被害となった。ほかにもサビ果などの品質低下が管内全域で見られた。今年は降雪があり低温で推移したことで、目安となる小梅の開花が平年比で2週間ほど遅く推移している。3月上旬時点では樹体凍害などの症状は見られていない。
指導会の中で同支援センターの職員は「『凍霜害は必ず起こるもの』と考えて事前対策から確実に行ってほしい。被害にあっても事後対策の人工授粉で諦めずに結実確保に努めてほしい」と呼びかけた。また、笠井指導員からは灯油などを燃焼して果樹園内の気温や植物体温を上昇させて凍霜害を回避する燃焼法についてのポイントや注意点を説明した。
全体を通して笠井指導員は「スタートとなるこれからの時期につまずいてしまうと気持ちも落ち込んでしまう。できることを行って、今年1年良い収穫ができるよう努めてほしい」と呼びかけた。

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