JAグリーン長野野菜部会アスパラガス専門部で、「ハウスアスパラガス」の出荷が3月、本格化している。今年は、1~2月に雪が多く、寒い日が続いたことから、平年に比べて萌芽・出荷が遅れた。共選品集荷場所の松代農業総合センターでは、2月17日から出荷が始まり、3月11日はセンター職員と営農技術員が目合わせで検品基準を確認。4月には露地栽培品も始まり、量も増えてくることから、高品質な出荷につなげる考えだ。また、JAでは、昭和の時代から続く「アスパラガス産地」を維持・拡大しようと、担い手や若手など次世代層へ積極的に推進。依然として高齢による品目転換や離農などによって減少傾向にあるものの、若手の参画も徐々に進んでいる。
施設果菜を栽培する松代町清野の大澤雄一さんは、昨年6月に6アールのビニールハウス内にアスパラガスを定植。この3月2日、収穫・出荷を迎えた。導入のきっかけは、昨今の気候から、既存のハウスがトマト・キュウリ栽培に適さなくなってきたため。主力を新たに借りた別のハウスに移すとともに、冬から春先の収入源を検討するなか、ハウスの条件的にアスパラガス栽培が適すとJAからの提案もあり、アスパラガスも導入した。JA管内で栽培が減ってきていることも知り、「産地の維持・復興の一助になれればと一念発起した」と部会にも加入した。今期は、株の養成期のため、収穫は最小限で、主に直売所へ出荷する予定だが、共選出荷も視野に入れている。大澤さんは、「作業自体がまだまだ手探り。JAや県に指導を仰ぎながら、我が家の収穫のスタートを切る品目として取り組んでいきたい」と意欲を見せている。
JAのアスパラガスの出荷は3月から6月まで約6,400kgを計画。主に地元、中京方面の市場に出荷し、手取りの向上を目指していく考えだ。