JAあづみやワサビ加工品メーカー株式会社マル井(本社=安曇野市)らでつくる「陸わさびプロジェクト」は14日、産地化を目指す取り組みの一環として圃場巡回を実施した。品質・営農指導力向上や収量増加に繋げる。
生産者や同社担当者、行政関係者、JA営農指導員ら約20人が参加。市内8カ所の圃場を巡り、生育状況や今後の栽培管理などを確認した。
巡回では、同社担当者が各圃場の状態を解説。アブラムシやコナガなどの害虫対策やわさびの代表的な病害「墨入病」に対する農薬散布徹底を呼びかけていた。
JA営農指導員らは、ハウス内の生育状況や病気の株などの様子をスマートフォンで撮影し記録。不明点は質問しメモを取るなど、今後の営農指導に活かしていく。
同社の松田洋介研究室長は「生産者の丁寧な土づくりや害虫対策が奏功し、これまで順調に生育している」と話した。
栽培2年目の生産者は「反収を上げるためJAやマル井らと連携し、栽培管理していきたい」と意気込んだ。
今後、週2回の水やりなどの栽培管理を継続し、3月中旬までに倒伏防止ネットを設置。4月中旬から寒冷紗をかけ、草丈の伸長を促す。出荷開始時期は、5月上中旬を予定している。
同JAと同社は2020年10月から実証栽培を開始。管内のハウス3ヶ所、1アールあたり約1000本の苗を定植し、2021年5月に初収穫した。収穫したワサビを同社に全量出荷したところ約80万円の販売実績だった。1アールあたりの反収が良く、労力負担や生産コストが抑えられることなどが分かり、昨秋から本格栽培に乗り出している。
JA広報誌や栽培講習会で新規栽培希望者を募集したところ、22年2月14日時点の生産者は8人、栽培面積は約10倍の37アールに拡大、産地化に向けた取り組みが軌道に乗っている。
営農経済事業部農産課の下田裕貴係長は「マル井らと協力し、品質の高い陸わさびの出荷に繋がるよう指導していきたい」と力を込めた。