産地を次代に 就農目指す人の受け皿組織立ち上げ

JAあづみ
PRリーフレットを持つ佐原副会長(左)、小松会長(中央)、二村副会長(右)
PRリーフレットを持つ佐原副会長(左)、小松会長(中央)、二村副会長(右)

JAあづみ管内の里親農家登録者(予定含む)やJAあづみ梓川果樹協議会、JAあづみりんご部会梓支部、JAなどが就農希望者の受け皿組織「長野県松本市梓川新規就農支援里親の会(=小松清会長)」を立ち上げた。
「新規就農里親研修制度」を利用し就農を志す研修生などを積極的に受け入れる。産地に根付く多様な人材を確保するとともに栽培技術の伝承を通じて産地の維持・発展を目指す。
同会の立ち上げは担い手の高齢化や後継者不足に対する強い危機感から。2021年5月、JAあづみりんご部会梓支部が部会員229人を対象に実施したアンケートでは(回答186人)、2014年は60才以上の経営主が占める割合が71%だったが、今回の回答では83%と8割を超え、うち後継者のいない経営主も74%を占めた。
二村賢二支部長は「このままではこれだけ大きな産地でも先細りしてしまう。産地を守り、技術を伝承するため担い手となる研修生や新規就農者の受け入れ体制を整えることが早急に対処すべきことだった」と振り返る。
想いを同じくする有志が集まり、担い手や新規就農者の確保に向けた研修会を7月と9月に開催。組織作りに対する理解を深め、立ち上げに向けて機運が高まった。
2021年12月20日、松本市梓川の同JA梓川支所で同会の設置総会を開いた。里親農家や会員、JA職員、行政関係者ら約30人が出席。規約の承認や役員選任など3つの議案を審議、満場一致で承認した。
役員選任では会長に小松清さん、副会長には佐原茂さんと二村賢二さんをそれぞれ選任。小松清会長は「日本一の産地を維持・発展させるために立ち上げた。現状に危機感を持つことが重要で、全員が一丸となって活動していきたい」と意気込んだ。
まずは、組織をPRするために作製した里親・産地紹介用リーフレットを今月中に長野県農業大学校や関係機関・団体に約1000部配布し、情報提供窓口を増やす。また、里親登録者の加入促進や先進の里親農家・産地視察研修などを通じて組織の強化も図っていく。

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