農家所得向上へ弾みを 販路拡大ベトナム輸出へ向け初出荷する市田柿

JAみなみ信州
ベトナムへ向け市田柿を発送する販売課伊藤主任(前列右)と市田柿工房職員
ベトナムへ向け市田柿を発送する販売課伊藤主任(前列右)と市田柿工房職員

JAみなみ信州は特産市田柿の輸出拡大に取り組みを強化している。今年初めてとなるベトナムに向け24日、初陣となる72kgを発送した。
国内価格安定のため東南アジアを中心に中華圏の春節に合わせた市田柿の海外輸出を2016年から行う同JAは、現在、台湾・香港、シンガポール、マレーシア、タイ、カンボジア、アメリカへ輸出し、今年度新たにベトナムも加わり、今年度75トンの輸出量を見込む。
19年に日本貿易振興機構(JETRO)主催のベトナムホーチミン日本産農水産物・食品輸出商談会に参加した同JAは、現地での干し柿への関心の高さや干し柿が輸出されていない現状をチャンスととらえ販路開拓を開始。同国で市田柿を乾燥果実として商品登録し、限定された果実輸出の条件をクリア。また取扱期間が短いことが課題となっていたこれまでの60日の賞味期限も、昨年度に包装用フィルムを変えるなどし90日が実現した。今年6月にはベトナムとの相互申請協力事業で国内2例目となるGI登録もされ、輸出に向け弾みとなった。
同JAは今年ベトナムでの販売先にホーチミンの高島屋とファミリーマートを計画している。同JA営農部販売課、市田柿担当の伊藤謙三主任は「様々な方の力を借りて、やっとスタートを切ることができた。近い将来、海外輸出量100トンを目指し、消費ニーズの高いところは海外も含めしっかりと勝負していきたい。少しでも高く販売できるよう今年もしっかり汗を流します」と意気込みを語った。

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