JA上伊那生活部会は12月4日「かんげきツアー」を開き、伊那市長谷の中尾座で「中尾歌舞伎」を観劇した。この日は、同部会員でかんげき会に所属する会員限定の特別貸し切り公演で行われ、85人が地元の伝統芸能を楽しんだ。
今年度より同会の名称を漢字から平仮名に変え、舞台を観る「観劇」と舞台を観て感じる思いの「感激」ふたつの意味を持たせる「かんげき」に改めた。例年行われていた「観劇ツアー」では、バスで県外へ行き、ミュージカルや舞台を楽しんでいたが新型コロナウイルス感染症の影響で昨年は中止。今年は同部会で地元を見直す活動に力を入れているため、伊那市の無形民俗文化財に指定されている中尾歌舞伎の観劇として、2年ぶりの開催を決めた。
開演前にはJA上伊那の御子柴茂樹組合長が「観る機会の少ない地元の歌舞伎を観て、伝統を感じながら、楽しいひと時を過ごしていただきたい」とあいさつした。
公演には中尾歌舞伎保存会に所属するJA職員2人が役者や裏方で参加した。また、生活部会を担当するくらしの活動相談員も役者に初挑戦。この日のために練習を重ねた熱演で、参加した会員に感激を与え、舞台は観客からのおひねりや大きな拍手で幕を閉じた。会員は「すごく良かった」「贅沢な経験ができた」などと笑顔で話し、大成功に終わった。
JA理事で同保存会の西村篝代表は「昭和61年に復活し、今回が80回目の公演となった。皆さんが少しでも地元の伝統に興味を持っていただく機会になればうれしい」と話した。