大学と農家繋ぎ 学生がオンライン研修

JA信州うえだ
オンラインで学生の質問に答える西澤さん
オンラインで学生の質問に答える西澤さん

東京農業大学国際食料情報学部食料環境経済学科の佐藤みずほ准教授のゼミ生18人は11月22日、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」を活用し、同大学と長野県上田市菅平高原の農家、JA信州うえだ菅平店を繋いでオンライン研修を行った。
同JAは毎年、学生が農家に宿泊して農作業などを体験する同学科2年次の「フィールド研修」を受け入れている。今年は8月上旬に1週間の研修を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で中止になった。代わりに農家の話を聞き、現地の状況を知る機会をつくりたいと同大学から依頼があり、オンラインでの研修が実現した。
研修には4人の農家が協力した。ハーブ生産者の西澤憲一さんはJA職員と共にJA菅平店に設置したパソコンで、高原野菜生産者の中澤敏明さんと妻の直子さん、小林晋之介さんは自宅のパソコンで、それぞれ学生らと対面した。
最初にJA菅平店の宮島英雄店長とJA真田営農センターの萩原健太営農技術員が、菅平高原の農業の歴史と現状、観光やスポーツ合宿の現状などについて説明。その後、ゼミ生が3グループに分かれ、1グループごと順番に4人の農家と交流した。
学生からは「今年の野菜の生産状況はどうだったか」「コロナ禍の中で販売にどのような影響があったか」「高い標高で作物を育てるメリットは何か」など多くの質問が出され、農家はパソコンのカメラに向かって丁寧に質問に答えた。
研修は予定時間を超えるほど熱心に行われ、農家の生の声を聞いた学生は「現地に行けなかったのは残念だが、農家さんの話を直接聞けて貴重な経験だった。いつか菅平に足を運び、自分の目で畑を見てみたい」と話し、訪れることができなかった菅平高原に思いをはせていた。

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