ふるさとのりんごづくりを子どもたちへ

JAグリーン長野
リンゴの品種を紹介する古畠さん
リンゴの品種を紹介する古畠さん

長野市篠ノ井のリンゴ農家、古畠正隆さん(46)・芳さん(41)夫妻は11月15日、長野市立篠ノ井西小学校3学年3クラス約100人のリンゴ収穫体験を受け入れた。地域の農業を学ぶ社会科の授業の一環として、今年で8年目。年に2回、5月・11月に児童が夫妻のリンゴ園を訪れ、リンゴ栽培の特徴や出荷・販売までの流れを教わり、園内のスケッチや夫妻と交流を通じて、地元の果樹産業に理解を深めている。
この日は、児童を前に正隆さんが、リンゴの品種や出荷販売までの流れなどを説明。30品種以上を栽培していることから、様々な品種のリンゴを並べて色や味の特徴を紹介したり、品質に応じて身近な直売所やJAへの出荷、贈答品の直接発送を通じて、消費者にリンゴを届けているなど、販路を紹介した。児童からは、「リンゴは病気になるか」「どうして山のほうでリンゴをつくるのか」「ダメになっちゃったリンゴはどうするのか」など質問が寄せられ、正隆さんが丁寧に答えを説明すると、児童は熱心にノートに書きこんでいた。
また、1人1個収穫を体験。夫妻から収穫のコツを教わり、約50本あるリンゴの木から、それぞれに大きさや色などから選りすぐりの1個を見つけて収穫。男子児童は「絶対おいしいと思うので、家族で食べたい」と大切そうにリンゴを手に取っていた。芳さんは、「りんご園が近くにあっても、なかなか“知らない”という子どもたちが多いけれど、学習としてやることでしっかりインプットしてくれると思うし、こちらがびっくりするような専門的な質問もしてくれるのでとても嬉しい」と話した。
夫妻は、娘が小学校3年生の時に学校から依頼があり、以降この体験の受け入れを続けている。正隆さんは、「将来リンゴ農家になってほしいということではなく、この経験を思い出に“ふるさとにリンゴがある”ということを覚えていてくれたらリンゴ農家冥利に尽きる」と笑顔を見せた。夫妻は今後も継続して学校教育現場の支援や地域交流の一環として活動を続けていく考えを示している。

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