諏訪市豊田上野地区特産の上野大根のたくあん漬けに向けた天日干しが11月8日、同地区内で本格化し、上野大根加工組合の関係者15人が白く輝くダイコンを1本ずつ紐で吊るす作業を行った。特設のビニールハウスには数多くのダイコンが吊るされ、同地区の秋の風物詩となっているダイコンのすだれが広がった。
上野大根は県の「信州の伝統野菜」に認定されている。根部の長さが17~24センチ前後、直径は4~5センチで、先端部が丸みを帯びたかわいらしい形をしており、辛みが強く、肉質は非常に硬いのが特徴。昔からたくあん漬けに用いられている。現在は品種登録された「諏訪湖姫」を栽培している。
今年は夏の大雨により若干の遅れはあったものの、8月下旬から種まきを行い、収穫は11月6日、7日に行った。約1万2000本を漬け込む予定で、8日はこのうち約8500本を加工所で洗い干した。風通しと日当たりをよくして効果的に乾燥させるため、上から見ると「井」の字になる井桁状に干すのが特徴。
同組合の笠原正夫組合長(71)は「毎年心待ちにしている方が大勢いる。作柄も良く上々の品質なのでみなさんの期待に応えられそう」と話した。
今後は、1週間ほど天日と風にさらして水分を抜き、漬け込む予定。