リンゴの晩生種「サンふじ」いよいよ

JAあづみ
実物でJA職員に選果規格を確認する選果員
実物でJA職員に選果規格を確認する選果員

JAあづみは29日、安曇野市三郷温のJA果実中央選果所で主力のリンゴ晩生種「サンふじ」の選果を始めた。
2021年産は、春先の凍霜害の影響で出荷量は4割ほど減少する見込みだが、ここ1週間ほどの昼夜の寒暖差や好天により着色や熟度が進み、食味は抜群だ。生育も進んでいて、昨年よりも2日早い選果開始となった。
初日は、約600ケース(1ケース=10キロ)を選果。31日に首都圏、関西、県内市場に出荷する。今年度の出荷計画は、約16万8,000ケース(1ケース=10キロ)で販売額は6億円を目指す。11月15日頃を選果ピークに12月中旬まで作業が続く予定だ。
選果に先立ち行われた目ぞろい会では、JA営農経済事業部果実課小林鷹文営農指導員が約50人にサビ果や日焼け、色、傷の有無など見分け方を説明。小林営農指導は「サビ果などの選別は難しいが、規格に沿って厳正に選別して欲しい」と呼び掛けた。
選果所では、選果員が一つ一つ手に取りリンゴの状態をしながら、厳正に選別。ベルトコンベヤーに載せた。光センサーで大きさや熟度を判定し、特秀から良までの5等級に分けて箱詰めした。
営農経済事業部果実課の中村洋一課長は「贈答用として全国各地から需要がある。収量が少なく、厳しい状況だが、産地としての信頼を維持するために全量集荷運動を続ける。生産者の期待に応えるため販売に力を尽くしたい」と意気込んだ。
JA管内では40年ほど前からサンふじの生産が始まり、出荷量の最も多い品種として定着し、約600戸が栽培している。果実に袋をかけずに太陽光を直接当てる栽培方法で、甘さとほどよい酸味に特徴がある。
JAあづみりんご部会の二村賢二部会長(64)は「一番美味しくて、たくさん作っているリンゴがいよいよ出荷となる。凍霜害の影響はあるが、着色や熟度、食味はここ数年で最高クラスの仕上がり。消費者のみなさんに手にとって味わってもらいたい」と話した。
11月1日には、松本市公設地方卸売市場で千國茂組合長らによる「トップセールス」を行い、より一層の消費拡大を図る。

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