生徒と宿をつなぐ セカンドスクール中止もメッセージでやり取り

JA大北
生徒に向けてエールを送る民宿の方々
生徒に向けてエールを送る民宿の方々

JA大北観光課は、同課で行っている誘客事業のひとつとして東京都武蔵野市が実施している「セカンドスクール」の受け入れが、昨年に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響で中止となったのを受けて、セカンドスクール実施校である同市立中学校3校と生徒を受け入れる宿のメッセージのやり取りを行った。2年連続の中止となり、交流が希薄となるのを防ぎ、絆と絆でつなぐことが狙いだ。
セカンドスクールは武蔵野市の事業の一環として行われており、自然豊かな農山漁村に長期宿泊を行う教育活動。同市立中学校3校の1学年生徒を同課が直接窓口となり毎年の恒例行事となっている。同スクールの特徴として、民泊をし、宿泊先の民宿ごとに農作業や郷土料理の作り方を学んだりなど、普段の学校生活では体験しがたい学習活動をとおして、大北地域の魅力を伝えている。セカンドスクールは大変好評で、同スクールの体験を通じて、大北地域を訪れ、移住した人もいる。
同課では昨年も同様のメッセージのやり取りを実施しており、昨年は白馬村の公式キャラクターである「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男III世」のぬいぐるみとメッセージが添えられた同村の写真といった応援グッズを同課にて各校に送付している。今年は直前までセカンドスクールの開催を予定していたということもあり、はじめに各校の生徒より、自分の名前や今回のセカンドスクールで楽しみにしていたことなどをまとめた「自己紹介カード」をかいてもらい、生徒たちが宿泊する予定だった宿に向けて送付。カードを受け取った民宿からは、返事として、「エールポスター」と題した宿からのメッセージや宿の方たちの写真などをまとめた1枚のポスターを9月下旬から10月中旬にかけて3校に送付した。
セカンドスクール開催校のひとつである武蔵野市立第五中学校に向けてエールポスターを送付した白馬村の民宿「大下館」の経営者で、白馬さのさか観光協会の松澤義久会長は「毎年こちらに来た際には、村内の湿原でのヨシの刈り取りといった環境保全活動にもご協力いただき、大変ありがたい。また、民宿に来た際にはエコたわしづくりなども行い、楽しみにしているという声も多い。早くコロナが収束し、受け入れができるようになれば」と思いを話している。エールポスターを受け取った同校の刀根武史校長は「セカンドスクール中止を受け、コロナ禍なのでやむを得ないが、生徒たちは残念がっていた。いただいたポスターは現在、職員室前など全学年が見える場所に貼っている。特に2年前にセカンドスクールへ行った今の3年生がなつがしかっている様子も見られた。コロナが落ち着けば再び実際に伺い交流をしたいが、今回のような形でも交流ができることはありがたい。」と話している。
今回の交流を企画した同課の丸山匠係長は「セカンドスクールは心と心の通い合う貴重な機会でもあるので、できる範囲の交流をしたいということで、双方に提案。特に民宿から学校に向けては、『エールポスター』として、子どもたちの笑顔を意識したものにし、ポスターの内容も3校とも異なるものにした。今後直接交流も心待ちにしながら、また白馬に武蔵野の子どもたちの笑顔が戻ってくれば」と期待を込める。
窓口を務める同課では、今後も各校とやり取りをするなかで、各校に合わせた交流のやり方を提案していくとしており、学校の生徒と白馬の民宿をオンラインにつなぐなどといった交流も予定している。

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