JA信州諏訪営農部が9月8~9日、管内に2カ所ある試験ほ場で、水稲品種「つきあかり」の現地指導会を開いた。地元生産者30人が参加し、ほ場の生育状況を確認。来年度の作付けの参考としてもらう。
JAは管内の標高800m以下地域の水稲生産者に、2022年度作付け分から、従来品種「ひとめぼれ」の代替品種として「つきあかり」の栽培を提案している。「ひとめぼれ」は品質・食味は評価されているものの、全体的な数量が少なく、年々減少傾向。2014年の米価下落時、荷動きが悪く、厳しい販売状況だった。「つきあかり」は早生で良食味、多収が見込めることから、県内他産地での作付けも増加。JA全農長野も販売を強化する方針であることから、導入を決めた。
諏訪市では地元生産者が、(1)10アールに対し基肥45kgを施肥した「つきあかり」(2)10アールに対し基肥60kgを施肥した「つきあかり」(3)「ひとめぼれ」-以上3ほ場を、横一列で委託栽培管理している。同部の職員が月1~2回現地調査を行い、草丈や茎数、出穂期などの観察を続けている。
8日、職員がこれまでの調査を加味し、「つきあかり」の稲穂は粒が大きいことや、分けつ数も充分であることなどを参加者に説明。また、10アールあたりの目標数量(630~660kg)を収穫することができれば、「ひとめぼれ」よりも経済効果が高くなることを示す試算表も提示した。
同市の生産者(80)は「周りのようすを見ながらではあるが、栽培を検討していこうと思う」と話した。
9月中・下旬には坪刈りと収量調査を行い、穂長や穂数、玄米重などを調査。例年、開催している「米づくり学習会」で、食味値を含めた結果を報告する予定。