JAながのは9月5日、露地栽培のブドウ「シャインマスカット」の出荷を始めた。初日は、千曲市と坂城町の共選所に25ケース(1ケース5キロ)が持ち込まれ、職員らが色や房形、粒の大きさなどを確認しながら検品作業を進めた。関東や中京、関西方面など全国へ向けて出荷する。8月中旬以降の曇天降雨の影響で平年より5日ほど遅い出荷となったが、粒の張りや食味も良く、上々の仕上がり。12日からは須高管内でも出荷が始まる。
JAの2021年度ブドウ出荷計画100万ケース(1ケース5キロ)の内、シャインマスカットは48万ケース(同)を占める主力品種だ。
10月末まで露地ものの出荷が続く。11月中旬以降は、貯蔵用冷蔵庫を使った長期販売を行う。全国的に同品種の生産が増えている中で、市場流通が減る11、12月に販売できる長期貯蔵で、歳暮やクリスマス、年末年始の需要にも対応し、高単価を確保している。長期販売することで出荷量を平準化して、単価の安定につなげる。また、香港、台湾を中心に需要が高く、輸出にも積極的に取り組んでいる。20年度産のシャインマスカット輸出金額は7億で(19年度比150%)、今年も同程度を見込んでいる。
ちくま北部アグリサポートセンターの伊部和真営農技術員は「昨年度より開花が順調で、数量も確保できる見込み。より多くの皆様に届けたいです」と話しました。
また、JAは毎年9月下旬、共選所などの会場で、人気のシャインマスカットをはじめ、巨峰やナガノパープルなど、さまざまな品種を販売する「ぶどう祭り」を開いているが、昨年度に続き新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止する。農産物直売所での販売やJAながの農産物公式オンラインショップ「たーんとながの」で贈答用ブドウを取り扱い、消費者の需要に応える。