トルコギキョウ農家として新規就農/坂本さん夫婦

JA信州諏訪
トルコギキョウ農家として新規就農した坂本さんご夫婦
トルコギキョウ農家として新規就農した坂本さんご夫婦

JA信州諏訪管内の茅野市で今年、坂本慎悟さん(36)由美さん(37)夫婦が、トルコギキョウ農家として新規就農した。7月23日に初出荷を迎え、8月12日現在、1日8ケース(1ケース40~50本入り)ほどを、JAに出荷している。
慎悟さんは同市、由美さんは上伊那郡中川村の出身。友人の紹介で出会い、9年前に結婚した。会社員を経験した後、慎悟さんの「農家になりたい」という思いを受け、由美さんも就農を決意。夫婦で栽培できる品目を検討した。「軽量のため妻にも扱いやすく、花姿もとても美しいため、育ててみたいと思った(慎悟さん)」と、トルコギキョウを選択。2019年3月から2年間、里親研修制度を活用し、同市のベテラン農家のもとで研修を行った。夫婦で週5回通い、定植から芽かき、枝かき、出荷調整などを一から習得。
今年3月に独立。パイプハウス6棟(計10.8アール)で、白やピンク、紫の「八重品種」6種類を栽培している。初出荷は「3カ月間、一生懸命育てたものなのでうれしかったが、『自分の花が売れるのか』という不安もあった」と振り返る。しかし、里親農家から「立派にできた」と褒めてもらうなど、品質は上々。反省点は、天候に合わせたかん水の調整がうまくいかず、出荷規格よりも丈が伸びてしまったこと。現在、収穫を控える2棟目ではかん水の量やタイミングに気を配っている。
今後はパイプハウスを増設し、年間で10万本以上を出荷することが目標。
慎悟さんは「自分がそうだったように、人から『私も育ててみたい』と思ってもらえるようなきれいな花をつくりたい。そして、1人でも多くの人に農家になってもらえたらうれしい」。由美さんは「品種特性をもっと勉強し、高品質なトルコギキョウ栽培をめざしたい」と抱負を語る。
長男(9)、長女(3)、次女(0)の子宝に恵まれ、家族5人で同市に在住。子どもたちもトルコギキョウが大好きで、ハウスに訪れるなど、興味・関心を寄せているという。慎悟さんは「将来のことはまだわからないが、子どもたちには農業は『楽しい』『面白い』といったような良いイメージをもち続けてもらいたい。もし、『農業をやりたい』と言ってくれた時には、自分が目標となれる人になっていたいですね」と家族への思いを口にした。
トルコギキョウは夏から秋にかけて、当JAの主力品目のひとつ。ボリュームがあり、花色が多彩。日持ちもするのが特長。管内では約100戸が栽培しており、盆の需要期には1日1000ケース以上が全国各地に出荷される。

MENU