JAみなみ信州と南信州農業農村支援センターが行う帰農塾「トマトコース」の講座が4日、下伊那郡豊丘村の圃場で行われ受講生7人が参加した。トマトコースのカリキュラムは全5回で、定植、管理、収穫までの1年の流れやポイントを座学や農家見学で学んでいる。
今年度トマト、きゅうり、市田柿の専門コースを受講している下伊那郡下條村の中嶋浩子(なかしま・ひろこ)さん(57)は、現在はひとりでズッキーニと市田柿の栽培をしているが、来春息子が浩子さんのもとで就農を予定している。中嶋さんは「ひとりでは除草作業だけでも大変でなかなか手が回らない。来年息子と一緒に栽培する品目を検討していて、その参考に帰農塾を受講している」と話し「帰農塾で基本を学び、息子と一緒に農業をするのが楽しみ」と、この日も熱心に受講した。
今年度のトマトコース最終回となった今回は、同センター阿南支所の樫山岳彦支所長からトマト栽培のポイントや病害虫防除、収穫終了までの管理について説明を受けた後、先輩農家の春日健司(かすが・けんじ)さん(52)の圃場を見学した。春日さんの1日のスケジュールや、春日さんの出荷基準や収穫適期の判断についてなど、先輩農家の具体的な話を聞き受講者はトマト栽培のイメージを深めた。
春日さんは「トマト栽培は決して楽ではないが、ぜひこれを機に始めてくれたらうれしい」と話した。
帰農塾は主に退職後などに農業経営を希望する人が、必要な基礎知識や作物の栽培方法を習得し地域農業の担い手となるよう育成支援することを目的としており、今年は41人の受講生が基礎講座と6品目から選択する専門講座で学んでいる。野菜コースは終盤を迎え、今後はりんご、市田柿の講座が続く。